「iPhone/Androidアプリ開発者のための機械学習・深層学習 実践入門」をご恵贈いただきました。機械学習関連の技術書は数あれど、モバイルアプリ開発者向けを謳ったものは日本語では初だと思います。
ボーンデジタル (2019-01-26)
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モバイル向けというとCore ML/ML Kit等の学習済みモデルを活用するフレームワークやツール群を想起しますが、本書ではCreate ML、Turi Create、TensorFlow、Cloud AutoMLといったモデル作成側についても解説されています。
また目次を見るとわかりますが、機械学習/ディープラーニングの定番である画像分類タスク以外に、類似画像検索、画風変換、活動分類、テキスト分類といったタスクのサンプルも登場します。
目次
- 1-1 機械学習の概要
- 1-2 Core ML
- 1-3 Create ML
- 1-4 Turi Create
- 1-5 ML Kit
- 1-6 Cloud AutoML
- 1-7 TensorFlow
第2章 Core ML - 基本
- 2-1 画像分類(画像)
- 2-2 画像分類(カメラ映像)
- 2-3 類似画像検索
- 2-4 物体検出
- 2-5 画風変換
- 2-6 活動分類
- 2-7 テキスト分類
第3章 Core ML - Vision・Natural Language
第4章 Create ML
- 4-1 画像分類
- 4-2 テキスト分類
- 4-3 分類
- 4-4 回帰
第5章 Turi Create - タスクベース
- 5-1 Pythonの開発環境
- 5-2 Jupyter Notebook
- 5-3 画像分類
- 5-4 類似画像検索
- 5-5 物体検出
- 5-6 画風変換
- 5-7 活動分類
- 5-8 テキスト分類
- 5-9 レコメンド
第6章 Turi Create - アルゴリズムベース
- 6-1 分類
- 6-2 回帰
- 6-3 クラスタリング
- 6-4 グラフ分析
- 6-5 テキスト分析
第7章 ML Kit
- 7-1 ML Kitの準備
- 7-2 画像分類(画像)
- 7-3 画像分類(カメラ映像)
- 7-4 顔検出
- 7-5 バーコード検出
- 7-6 ランドマーク認識
- 7-7 テキスト認識
- 7-8 カスタムモデル
第8章 Cloud AutoML
第9章 TensorFlow
- 9-1 画像分類
- 9-2 テキスト分類
- 9-3 過学習と未学習
- 9-4 FrozenGraphDefへの変換
- 9-5 mlmodelファイルへの変換
- 9-6 tfliteファイルへの変換
個人的な読み方
iOSもAndroidもやる、本書に出てくるフレームワークは全部知っておきたい、という方は通読する読み方もありかと思うのですが、私はiOS専業でやっているので、基本的にはiOSに関連しそうなところをつまんで読んでいこうと思います。Core MLやVisionやCreate MLは一通り触っているのですが、Turi Createでモデルをつくるところからはほとんどやったことがない(画風変換だけはつくってみたことがある)ので、
- Turi Createで画像分類以外のタスクのモデルを一通りつくってみる
- 類似画像検索, 物体検出, 画風変換, 活動分類, テキスト分類, レコメンド
- → Core MLで動かしてみる
という感じで読んでいこうかなと。
あと、TensorFlowの章の以下の項は、実務上で必要になったことがあるので、必ず読んでおこうと思います。
- FrozenGraphDefへの変換
- tfliteファイルへの変換
前者はmlmodelファイルへの変換に必要で、後者は実際のお仕事でLiteじゃないモデルが提供され、変換ができるのか、どれぐらい大変なのかわからないのでそのまま従来のTFバイナリと一緒にアプリに組み込んで使った、ということがあったので、把握しておきたいなと。
p25 表1-1-1 各フレームワークがどういうモデルを扱うか、どのプラットフォームから使えるかetc.の一覧も興味深かったです。ML KitはTensorFlow Liteモデルを使うというのは知らなかったですし、Cloud AutoMLはAPI経由で推論を行うということで、結局どちらもiOSからも使えることになります。
まとめ
日本語初の「モバイルアプリ開発者向け」機械学習・ディープラーニング解説書、「iPhone/Androidアプリ開発者のための機械学習・深層学習 実践入門」をご紹介しました!
機械学習がホットな分野なのは間違いありませんが、for モバイルとなるとまだまだ始まったばかりという感じです。興味のある方はぜひ本書をチェックしてみてください。
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参考:iOS×機械学習の記事
- Core ML+Visionを用いた物体認識の最小実装 - Qiita
- iOSの機械学習フレームワークの比較 - Core ML / Metal Performance Shaders (MPSCNN) / BNNS - Qiita
- iOSのMPSCNNに渡すモデルパラメータのフォーマット / TensorFlowからの書き出し - Qiita
- iOSのMetalで畳み込みニューラルネットワーク - MPSCNNを用いた手書き数字認識の実装 - Qiita
- ドラッグ&ドロップで機械学習のモデルがつくれる「Create ML」の使い方 #WWDC18
- Visionなしで、Core ML単体で使う - Qiita
- Core MLの公式配布モデル6種の比較 - Qiita
- TensorFlowで作ったモデルをCore MLで利用する
- TensorFlowをiOSで動かしてみる
- TensorFlow for iOS のモデルについて - Qiita
- TensorFlowの学習済みモデルを拾ってきてiOSで利用する - Qiita