Quantcast
Channel: その後のその後
Viewing all articles
Browse latest Browse all 314

フリーランスのお仕事まとめ2018年9月〜12月

$
0
0

前回の実績まとめ以降の9月〜12月の4ヶ月間にやったお仕事のまとめ。

ハイライト

  • 「アナログデジタルボドゲ」がついにリリース
  • 機械学習×iOS」案件が増えてきた
  • 採用コンサルや新規の技術顧問契約等、新展開も色々と
  • 本の執筆×2
  • インタビューしていただきました×3
  • Voicyはじめました
  • 娘が生まれました

Core NFCを利用したボドゲ「アナログデジタルボドゲ

f:id:shu223:20181230141249j:plain

非常勤メンバーとして参加しているブルーパドル社でのお仕事。以前から水面下で開発していたアナログ+デジタルなボードゲーム、その名も「アナログデジタルボドゲ」がついにリリースされました1。アプリ実装をまるっと担当してます。

bodoge.blue-puddle.com

あれこれ制約が多く今のところ使いみちがないと言われがちなCore NFCですが、それをゲームで実用するというのは世界でも珍しいのではと。

開発中は作っては遊び、遊んでは作って、というサイクルで、完全に楽しかったです。

機械学習×iOS

機械学習×iOSCoreML登場以前から模索していたもののなかなか仕事に繋げられないでいたのですが、ここにきて実ってきました。前回書いたまごチャンネルの「子どもファインダー」機械学習で子供が写っている写真を自動選別する機能でしたが、今回はそれとは別に新案件が2つ。

TensorFlowモデルをiOSで動かすための実装

作業は完了しているのですが、機能リリースがまだなのでアプリ名やどういう機能かは控えておきます。TensorFlow(以下TF)で学習させたモデルがあって、そのモデルを用いた推論処理とOpenCVの処理を組み合わせたC++のコードがあり、それを既存のiOSプロジェクトに組み込む、というミッションでした。

TFのモデルを使うだけであれば以前別の案件でやったようにCore MLモデルに変換してiOSで用いる、という選択肢もあるのですが、今回の場合はOpenCVと組み合わせてトータルな処理を構成しているのと、そのC++コードは今後も継続的にアップデートされるであろうことから、(少々詳細になりすぎているので中略)つまり何が言いたいかというと、

  • TFはサンプルレベルながらも多少触ったりコードを読んだりしていた
  • Fyusion社でR&Dチームが書いたC++コードをiOSに組み込む仕事をよくやっていた
  • Core MLやiOSGPUまわりについて知見・経験がある
  • Courseraで機械学習の基礎だけは学んでいた

等々が絡んでいて、点と点が繋がって線になっているなぁ、と感じたのでした。

qiita.com

qiita.com

qiita.com

d.hatena.ne.jp

機械学習を利用した機能のSDK

上とは別の会社で、機械学習で実現しようとしていることも全然違います。ここでのお仕事は、既にiOSで動いているCoreMLモデルがあり、その機能をSDK化するというものでした。モデル追加しやすいように内部で抽象化したり、利用側が使いやすいようなAPI設計にしたり、テスト書いたり。公開が楽しみです。

継続的なお手伝い

ドローン利用アプリ

ドローンを利用した屋根点検サービスを提供しているスタートアップ「CLUE」を継続してお手伝いしています。同社はドローンを飛ばせる「ラボ」を都内に持っているのですが、子供が生まれてから外出が難しくなったので、リモートでも可能な(つまりドローン実機が不要な)部分でお手伝いしています。

まごチャンネル

テレビにHDMIケーブルを繋ぐだけの写真・動画サービス「まごチャンネル」を提供しているチカク社を継続してお手伝いしています。細かいUIUXや機能改善等。

技術顧問(継続)

こちらも前回から引き続き。事業計画に沿って、キーとなる技術のフィージビリティ調査(検証のための実装も含む)を行ったりしています。そろそろ新展開がありそうです。

Metal関連

Metalでのフィルタ実装

顔のパーツとかメガネとか背景とかはそのままに、肌だけ平滑化するMetalフィルタを実装。海外案件。

かなり前に同じようなフィルタのシェーダを書いたことがあり(GPUImageにプルリク送ってマージされた)、そのときの知見が役立ちました。

新展開

採用コンサル

こちらも継続的にお手伝いしている会社で、技術面では「Bluetoothモジュールの機能調査」をやっていてNDA的に書けないことしかないのですが、同社のエンジニア採用コンサルもさせていただきました。同社のWantedly採用ページについてエンジニア目線からどのへんがポイントとなるか、あるいはポイントとならないか(クリックしない/読むのをやめる)、といったところを指摘し、僕ならこう書く、というのを書いて解説したりもしました。

記事には書いたことないですが、基本的には手を動かして(コードを書く)お手伝いを軸としつつ、継続する中でこういった採用面でお手伝いすることはちょくちょくあります。(エンジニア募集方法について一緒に検討したり、面接したり、候補者についてコメントしたり、人を紹介したり)

技術顧問(新規)

12月後半から開始しました。(僕の個人的なイメージですが)「技術顧問」は設計とか技術選定とかチーム開発手法とかの比較的大きい枠組みでの技術的アドバイスが求められることが多いと思っていて、僕はそういうところの知見やスキルが特に秀でているわけではないので基本的に技術顧問的ポジションには向いていないと言っているのですが、ここはスタートアップというより、アーティストチームのようなところで、僕自身ずっとファンでもあったし、求められている内容も期待に応えられそうだと感じたので、二つ返事でお受けしました。

ポッドキャスト(Voicy)開始

『技術の小難しい話はおいておいて、「生き様」に焦点をあてていろんなエンジニアにお話を伺う』というコンセプトでPodcastをはじめました。とはいえPodcastアプリで探しても出てこなくて、Voicyというアプリ/Webサイトで聴けます。

voicy.jp

ソフトウェアエンジニアという職業は今や売り手市場で、パソコンとネットがあればどこでも仕事ができ、国や言語を超えて通用し、ブログやオープンソースで発信することでプレゼンスも向上しやすく、「生き方の選択肢が多い」職業のひとつです。エンジニアにもそうでないみなさまにも、人生の可能性を感じてワクワクしていただけるような内容にしたいと思っています。

執筆

「実践ARKit」執筆&技術書典5

【つくりながら学ぶ実践入門書】というコンセプトで、ARKitの入門書「実践ARKit」を個人で出版しました。

note.mu

Boothにて販売しています。

shu223.booth.pm

10月の「技術書典5」で販売してきました。

shu223.hatenablog.com

iOS 12 Programming」執筆

PEAKS刊行の「iOS 12 Programming」で、「ARKit」の章と「デプス」の章の執筆を担当しました。

iOS 12 Programming

iOS 12 Programming

  • 著者:加藤 尋樹,佐藤 紘一,石川 洋資,堤 修一,吉田 悠一,池田 翔,佐藤剛士,大榎一司,所 友太,
  • 製本版,電子版
  • PEAKSで購入する

詳細はこちら:

shu223.hatenablog.com

インタビュー&講演

Qiita:Zineでの対談(フリーナンス広告記事)

フリーランス向け保険その名も「フリーナンス」について、座談会形式でお話を伺いました。広告記事ですが提灯記事にはしたくないです、ってことで『僕にはちょっと当てはまらないかな?』とかかなり正直に話してるので興味のある方はぜひ。

zine.qiita.com

エンジニアHubインタビュー

OSSを軸にしたあのインタビューシリーズに出させていただきました!iOS Samplerシリーズを始めたきっかけや、どういうことを考えてコードを公開しているか、といった話をしています。

employment.en-japan.com

よく「ブログを書いたほうがいいとは思いつつも、書く時間がない」と聞きますが、それは僕からすれば「仕事をしたけど請求書を書く時間がない」と言っているのと同じように感じます。「今月は時間がないから、100万円分の請求書を出しませんでした」っていう人は絶対にいないでしょう(笑)。それと同じ感覚で、面白い仕事を経験したり、新しい技術を身に付けたらそのことを世に発信するのは、僕にとっては明確に実益を伴うことなんです。僕はブログを書くために仕事を断ってでも時間を確保することもあります。

キズナシッターインタビュー

ベビーシッターでいつもお世話になっている「キズナシッター」さんにインタビューしていただきました。うちの👼も同席しました。(隣りにいるのはよく来てくださっているシッターの岩見さん)

sitter.kidsna.com

フェンリル社で講演

アプリ開発等で有名なフェンリル社にお招きいただき、「エンジニアという仕事を楽しみ続けるためのキャリア戦略」というテーマで講演させていただきました。フェンリルさんに許可をいただいたので、その講演内でつかった約60ページのスライド資料をnoteにまとめました。

note.mu

エンジニアを楽しみ「続ける」というところがポイントで、世の中の変化も激しいし自分も飽きたり慣れたり状況や心境が変わったりする中でどうやって楽しみ「続ける」よう工夫しているのか、というのを実体験を多く交えつつ話しています。

昔は楽しかったんだけど最近はどうも惰性でやってるかも」とか、「若くて優秀な人にはもうかなわないなぁ」という感じの方々には共感していただける部分があるかもしれないのでぜひ見てみてください。

おわりに - 育児と両立するための試行錯誤

9/1に娘が生まれ、働き方がそれまでとはガラッと変わりました。育児のために外出すらままならなくなりいったんほぼすべてのフリーランス案件を止め、収入が激減。軽く絶望感すらありました。

これは上のキズナシッターのインタビューからの引用なのですが、

僕はエンジニアで、自分の仕事を楽しんでいて、僕の技術を必要としてくれている会社がたくさんあるのに、赤ちゃんを抱っこしていると働けない、という状況がすごく苦しかったんです。そんな状況を、僕よりも赤ちゃんを上手にあやせるベビーシッターさん達に助けてもらうようになって、本当に救われた気がしました。

というわけで、今は週5でシッターさんに来ていただいてます。僕も奥さんも忙しいときは週末にも来てもらうことがあって、11月は(ちゃんと計算してないですが)たぶん40万円以上(!)2かかっています。

とんでもない金額ですね。×12すると恐ろしいですが、認可どころか認可外保育園でも入れないし、片働きなので僕が赤ちゃんを抱っこしてる限り我が家の収入はゼロになるのだから仕方ないです。

しかし全然悲観的な話ではなくて、「お金で解決できるところはそうしよう」と開き直ってシッターさんに毎日来てもらうようにしてからの10月・11月と、僕のフリーランスとしての売り上げは逆に過去最高になっています。

なぜかというとシンプルな話で、僕が何をしている間も常にベビーシッターさんの時給(約2000円)がかかっているので「もったいない精神」が働いて、移動や飲み会を極限まで減らすようになり、代わりにその間も仕事するようになったからです。(ちなみに受けている仕事はどれもおもしろいので全く苦ではありません)

いや、もともと自分の時給が◯◯円だから、「今こうして飲み会に行っている間も△△円かかっている」という認識はあったつもりなんですよ。でもそういう「機会損失」は実際に自分の財布や口座からお金が出ていくわけじゃないので、行動に影響を与える程ではなかった。そこがシッターさんに時給を払うことで可視化/具現化されて、やっと自分の行動を変えるに至ったと。これはエポックメイキングな気付きでした。

そんなわけで、いろんな新しい体験をしたり気付きを得たりしつつ、楽しくやっております。


  1. 11月末に開催された「ゲームマーケット2018」で限定100個だけ販売したのですが、さくっと初日のお昼ぐらいには売り切れてしまいました。クラウドファンディング準備中です。

  2. 2000円×10時間×20日 = 40万円


Viewing all articles
Browse latest Browse all 314

Trending Articles