サンフランシスコの会社で正社員として働きつつ1、日本でフリーランスとして働く二拠点生活を送っています。
今年からまた日本の住民票を戻したので、アメリカにいる期間の方が短くなります2。もうちょっとしたら家庭の事情によりさらに行く回数が減ることになりそうなので、自分にとって希少になりつつあるアメリカ滞在をなんとなく消化してしまわないよう、何をやったか/何を得たかを中心にふりかえりメモを書いておこうと思います。
やったこと
Fyusion勤務
- とある画像処理ロジックを組んだ
- 処理自体はCIFilterにあったので、自前でMetalシェーダを書くことはせず、MetalのパイプラインにCore Imageの処理を組み込むかたちで実装
- このへんのMetalと他のフレームワークとの連携は本を書いたときにちゃんとドキュメントやWWDCセッションスライドを読んでおいた知見が活用できた
- その他諸々、この数ヶ月の間に得たMetalの知見を活かした貢献ができた
- 同僚の家に遊びに行って衝撃を受けた
(これまでタワーマンション的なものに興味がなかったが考えを改めた)
- 朝から開いてる店が多く、ほぼ毎日早朝にカフェへ行き、1〜2時間仕事以外のコードを書き、それから出社していた
- 退社後(18時ぐらいにオフィスを出る)はコードを書くウィルパワーは枯渇してるので、ブログを書いたり、メッセージやメールの返信等のタスクをこなしたり
- サンフランシスコならではの生活とはいえないが、有意義に時間を使えたと思う。
Boston旅行 / MIT見学
- ボストン/ケンブリッジへ
- アメリカは広いので知り合いがいるときに行っておきたい
- 期限が切れそうなマイルを消化したかった
- 連休+有給で5日間ほど
- MIT見学させてもらった。最高。
- 公開情報ではないおそれがあるので、いろいろと見せていただいた研究内容については書けない。。
WWDC(の周辺に)参戦
- Airbnbで借りた物件が最高だった
- WWDCのチケットは外れてしまったのでAltConfで基調講演を観た
AltConf会場、どうでもいい新機能の発表時に歓声をあげるのが流行っている #wwdc
— Shuichi Tsutsumi (@shu223) 2018年6月4日
- 周辺のカフェで自主学習。いろいろブログ記事書いた(後述)
- AltConfのセッション、おもしろいのがたくさんあった
AltConfのセッション"Augmented Reality Beyond ARKit"面白かった。ARFaceGeometryは1220点もとるのに耳のデータがない、大きさを計測してくれるけどpupillary distance(瞳孔間距離)の誤差が大きい。なので自前でやったが、どうやったか、という話。https://t.co/B9yr1J8qxM
— Shuichi Tsutsumi (@shu223) 2018年6月5日
#AltConfの"A Tour of the Photo Capture Pipeline"も面白かった。カメラセンサの生データであるところのRAWからディスプレイに表示されるまでの色処理をわかりやすく解説。最後にはkCVPixelFormatType_420YpCbCr8PlanarFullRangeみたいなフォーマットの意味もスッキリわかるという。
— Shuichi Tsutsumi (@shu223) 2018年6月6日
今日の昼にあったAltConfのセッションで「自然言語処理のCore MLモデル」をCreate MLで作るライブコーディングやってたが、まだMojaveにしてないので試せてない。試したら追記します。https://t.co/xxfY3oBWix
— Shuichi Tsutsumi (@shu223) 2018年6月7日
AltConfで再会した人に「半分フリーランスになったよ」という話をしたら仕事の打診あり。機械学習やMetalレンダリングやってるところなので嬉しい(まだ調整中)
コンピュータ歴史博物館で著名ポット様の実物に会えて感激
滞在中に書いた記事
意識してたくさんアウトプットするようにした。
自分のブログ
note
Qiita
滞在中に公開した/メンテしたOSS
- サンプルいろいろ追加
- WWDC18のセッションで知ったAVSpeechSynthesizerの発話の「読み」を自在にカスタムする方法についてサンプルに反映
- Xcode 9.3以降でMetal Performance Shadersの
MPSCNNConvolution
のイニシャライザで発生していたとあるめんどくさい問題について対処
- マイナーアップデート
その他
現地で働いている有志の人たちと、「2時間でIoTガジェットをつくる」プロジェクトをやった
このサンフランシスコ滞在中に連絡くれて会いに行った人の会社の仕事を最近リモートでやった
- 上に書いたAltConfで再会した人の会社とはまた別
- きっかけはGitHubのコード
今日はARKit+Metalな海外案件(リモート)。シェーダ書くのは経験十分とはまだ言えないところだし、クォリティ的に先方のイメージする水準に達するかも読めないし、今日終わらないと別途時間は取れないので、下記記事に書いたのと同様の成功報酬型でやってる。https://t.co/UAW6H5iQ61
— Shuichi Tsutsumi (@shu223) 2018年6月23日
この件、無事納品でき、今朝Paypalで振込がありました。本当にかかった時間分しか請求してないので全くスケールしない労働集約型だけど、やはり実案件でやるのと習作とでは全然学びのレベルが違うし、ARKit+Metalは案件自体が貴重なのでこういうやり方は今後もやっていく所存https://t.co/qR1S6drfD9
— Shuichi Tsutsumi (@shu223) 2018年6月24日
- Samplerシリーズの新作(iOS-12-Samplerではない)をつくり始めた
- 次回技術書典に向けた執筆もほんのちょっとだけ手を付けた
まとめ
こうして振り返ってみると、1ヶ月の滞在としては濃密に過ごせたなと。二拠点生活は移動のオーバーヘッドがあったり住居費が2倍かかったり34ともったいない点もありますが、気持ちが切り替わって時間を有意義に過ごせるというメリットを感じます。次は日本でのフリーランス生活をがんばります(がんばってます)。