昨日、都内のとある企業のクローズドな勉強会で、Bluetooth Low Energy (以降、BLE) 関連の話をしてきました。
僕に直接声がかかったわけではなく、知り合いのエンジニアが IoT について講義を任され、その方からBLEまわりについて話してくれないか、という間接的な依頼だったのと、僕自身あまり IoT というキーワードをそれほど意識していないこともあり、会の趣旨やニーズに合致していたのか謎ですが、とにかく自分のやってきた BLE 関連の実例紹介と、ざっくりBLEとは何か、というあたりについて話しました。
参加者の層としては管理職、プロデューサー、企画の方が多い印象だったので、GATT等の技術的に踏み込んだ話ではなく、BLEの特徴が把握できるようなポイントだけにとどめています。
会自体はクローズド(社内向け)だったのですが、僕が話した内容はとくに秘密とかはないので、以下に資料を公開します。(一部編集済み)
自己紹介
- 堤 修一(つつみ しゅういち)
- フリーランスiOSエンジニア
経歴
- 京都大学 工学部 電気電子工学科 / 京都大学大学院 情報学研究科(1997〜2003)
- NTTデータ 音声処理 の研究開発(2003〜2007)
- キヤノン 複合機の 画像処理 開発(2007〜2009)
- カヤック iOSアプリ プログラマ(2010〜2012)
- シリコンバレーのスタートアップに参画(2013)
- Y combinatorと並ぶシードアクセラレータの名門、500 startups に採択
- 独立(2014)
実績(IoT関連以外)
iOSアプリ
開発実績30本以上
- バウンドモンスターズ(200万ダウンロード、売り上げ 数億円)
- タップ忍者(App Store Best of 2012)
- Domino's App (Canne Lions 2011)
オープンソース活動
GitHubで世界ランキング1位*1になったリポジトリを3つ保有
- iOS7-Sampler (2013)・・・iBeacon等
- iOS8-Sampler (2014)・・・HealthKit, HomeKit等
執筆
- 「iOSアプリ開発 達人のレシピ100」(単著)
- ブログ「Over&Out その後」
- gihyo.jpでの連載「iOSアプリと連携させて使えるデバイスたち」
- iBeaconの講演@ワイヤレスセミナー
IoT関連実績
- 国内では(おそらく)初の、実店舗へのiBeacon導入
- iBeaconで入店管理
- アプリから注文、店員呼び出し
- 客単価20%アップ
- BLE(詳細後述)
- 次世代パーソナルモビリティ「WHILL」
- ウェアラブルおもちゃ「Moff」
- 耳の聴こえないダンサーに音楽を感じて踊ってもらうプロジェクト「music for the deaf」
本日の内容
- BLEとは
- BLE事例1: Moff
- BLE事例2: WHILL
- BLE事例3: music for the deaf
- BLEとiBeacon
BLEとは
「2.4GHz の無線を使った近距離無線通信規格」
ポイント
- 無線
- 超低消費電力
- ボタン電池1個で数年動作可能
- 従来のBluetooth(〜3.0)とは別モノ
- 両対応した4.0は「デュアルモード」と呼ばれる
- 通信距離はチップごとに違うが、だいたい5〜10mぐらい
- 通信速度は低い
- 通信していないときの消費電力を極力下げることで消費電力を抑えることに特化した規格
- 心拍センサーのように、常時データをやり取りする必要がなく、1回のデータ量も少ない用途に向いている
- 音楽を流しっぱなしにするような用途にはクラッシックBluetooth
iOS と BLE
フレームワークが開発者に解放 されているため、対応アプリを自由に開発できる。
- 従来Bluetooth対応デバイス/アプリの開発にはMFi(Made for iPhone)というライセンスプログラムへの加入が必要だった
- バックグラウンドでの接続も可能
- iOS7以上をサポートする多くの iOS デバイスで利用可(iPhoneでいうと4s以降)
BLE事例1: ウェアラブルなおもちゃ『Moff』
腕に巻くバンド型ガジェット。腕の動きに合わせてアプリから音がでる。
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