『アメリカでのiOSアプリ開発の仕事にありつけました』 という記事を書いたのが5月20日。それから4ヶ月ちょっとしか経っていませんが、諸事情により *1 シリコンバレーより出戻っております。しばらく日本にいる予定です *2。
で、せっかくシリコンバレーに行ったから、なんか感想とか体験記的なことを書きたいなぁ、とずっと思っていて、今日見つけた『シリコンバレー滞在30日で分かった15のこと』という記事が、いい感じに僕も書きたい切り口が多かったので、これらの項目にコメントするかたちで *3 僕なりの体験や感じたことを書きたいと思います。
最高の気候
こちらに滞在している誰もがいうことですが、本当に本当に気候が最高。
本当に誰もが言うので、僕が改めて言うことは何もないのですが、最高です。
日本が誇る「電車が時間通りに来る」 というのと同じように、明日も明後日も快晴であることが保証されている というのは、(日本では望むべくもないことですが、)素晴らしい体験でした。
(4ヶ月間、毎日こんな感じでした)
食べ物は全然アリ
これは住んでいる場所と、人によって違うようですが、食べ物は全体的に美味しいです。
アメリカで暮らしてきました、というと、よく「食べ物はどうだった?」と聞かれます。暗に「合わなかったでしょ〜」という期待を含んでいる気がしてしまうのですが、僕は全然アリでした。場合によっては日本よりアリでした。
とくにシリコンバレーは、世界中から人が集まってくるからか、日本料理や中華はもちろん、イタリアン、メキシコ料理、インド料理、タイ料理、ベトナム料理、地中海料理、スペイン料理、フランス料理、トルコ料理、etc... と徒歩圏内だけでも多種多様なレストランが揃っていて、毎日気分によって食べたいものを変えられて楽しかったです。
あと、どんな店でも、どんなメニューでも大概テイクアウト可能なところがすごくよかった。たとえば高級店ぽいレストランで、表にテイクアウトとか書いてなくても、聞いてみたらOKだったし、つけ麺みたいなテイクアウトしづらそうなものでも全然OK。
(つけ麺テイクアウト)
これ、僕が知らなかっただけで、日本でも実は聞いてみればOKだったのかな?と思い、帰国して家に帰る道中にさっそく東京駅構内のレストランで「テイクアウトできますか?」って聞いてみたら余裕でNGでした。
英語の習得はそんなに甘くなかった
世界経済を考えた場合、これまでは日本国内だけで一定以上の市場があったので、日本語という言語の壁に守られた経済圏を確立できていたのですが、ことWebサービスについてはグローバル化、ボーダレス化が非常に容易なので、これからWeb業界でやって行きたい人には、絶対に英語の学習をおすすめします。
この主張に異論ありません。英語を習得することは完全に正解です。
ただ、僕は全然ダメでした。多少マシにはなったけど、全く仕事に活かせるレベルじゃない。
聴き取りぐらいならいるうちに耳が慣れてくる、という人もいますが、僕は未だにほとんど聴き取れないです。『パシフィック・リム』をあっちで観たけど、「カイジュウ」という単語と、日本人ヒロインの台詞しかわかりませんでした。
まぁでも現地にいると日々危機感を感じられるおかげで嫌々ながらも勉強するし、そうするとさすがに多少マシにはなっていくので、もっと長く住めば僕でも何とかなる日がくるかもしれません。
AngelListとLinkedInの影響力
こちらに来て驚いたのは、日本ではあまり馴染みのない「Angel List」というサービスの知名度と影響力が大きいことです。
日本にいた頃、「海外で働きたい。でも、ビザもコネもない。」 と思ってました。
でもあっちに行ってみて得たでかい収穫が、「飛び込んでしまえばなんとかなる」という実感。
この記事で触れられているAngelListとLinkedInにスキルと実績をしっかり書いて、住所をMountain Viewにしてからというもの、アメリカの会社から週2〜3、月に10件ぐらいのペースでスカウトメールが来るようになりました。既に世界的に有名になっているスタートアップや、某Appl○本社からもお声がけいただいたりしました。ビザのスポンサードが可能なことを明記しているところもありました。
とはいえ大抵が人事部門からのメールなので、実際に選考に進むと英語力やら何やらで無理なのかもしれませんが、少なくともとっかかりはあるもんだなぁと。
ちなみに、日本に帰ってからのことですが、最近GitHubにアップした iOS7 Sampler というオープンソースリポジトリに世界各地からstarをいただき、こっち経由でも仕事の話がくるようになりました。
これを日本で展開したら流行りそう、というサービスがごろごろしている
日本にいるときよりは、段違いに新しいサービスに触れる機会が増えました。空気感として、Webだけで完結するサービスやソーシャル系は一段落している雰囲気があり、O2Oサービスがこれから増えてきそうな感じです。リアルと連動している分、地域性がともなうので、タイムマシーン経営が成り立つジャンルだと思います。
これはあります。KickStarterのプロダクトマネージャーとご飯食べた際に、日本では同様のコンセプトの CAMPFIRE というサービスが存在感出してるよ、という話題が出て、「まあ、うち日本語に対応してないからな〜」と、わかっちゃいるけどなかなか手が回らない、という雰囲気でした *4。
(NewYorkにあるKickStarterオフィス。古いビルを改装してて超かっこよかった)
車は必須
車がないと生活用品の買い出しもままならないので、車は必需品です。東京にいたときは、電車でほとんど用事が済ませられたので、ほとんど車に乗る機会がなかったのですが、こちらに来て生活スタイルがガラッと変わってしまいました。
これは正直、車の運転をなるべくしたくない僕としてはマイナス要素でした。左ハンドル、右車線でややこしいし。
まぁでも免許は持ってるわけだし、ここらで車の運転に慣れとくと人生の幅が広がって良いかも、と今では考えてます。
日本ではペーパードライバーだったけどあっちで必要に迫られて運転するようになった、という人多いみたいです。
税+チップでプラス23%!
日本に帰ってきて、800円のものが800円ポッキリで買える、ということに感動しました。
カリフォルニア州は消費税が8%ちょい *5 あり、チップは最低15%とされているので、あっちでレストランで800円ぐらいのものを頼むとなぜか1000円を超えている、という感覚です。
投資家がたくさんいる
これはこっちにきてカルチャーショックでした。石を投げれば投資家に当たる、というぐらい投資家がいます。
次世代を応援しよう、という文化があるので、投資家を名乗ってない人でも事業を気に入ってくれれば投資家になってくれたりします。意思決定も早く、講演にきた先輩CEOに、弊社CEOが事業の説明を10分ぐらいして、2つ3つ端的に質問をしたのち「オーケー、投資しよう」と言ってるのを目の当たりにしたときは驚きました。
(あのマシ・オカさんもAppSociallyを支援していただけることに!)
プログラミングはどこでやっても同じ
あっちでの日々の中でよく使った「言語」を順に並べると、
Objective-C > 日本語 >>>>>>>>>> 英語
という感じです。
プログラマという仕事はどこででもできる、ということでもあるし、どこでやっても大差ない、ということでもあります。
それでもやっぱり海外で働くのは楽しい。
旅先にパソコンを持っていってインターネットをしていると、「せっかく旅行してるのになんでインターネットしてるの」とか言う人がいるけどそれはちょっと違う。「旅行中にインターネットをしている」のではなくて「ずっと家でインターネットしてると飽きるからたまには別の場所でインターネットをしている」という認識が正しい。
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